2012年03月24日

悪いコトしてるわけでもないのに。

シンコーミュージックから隔月刊で発売されている雑誌『ゲッカヨ』。
ボカロ・歌ってみたに力を入れていることもあり、
ボカロクラスタや歌い手クラスタの人にはそれなりに知られた雑誌である。
http://www.gekkayo.jp


その『ゲッカヨ』が、誌面連動企画として、
以下の曲に対する歌詞募集を行っていたので、2本ほど応募してみた。





で、その選考結果が、3/23に発売された『ゲッカヨ』vol.2に掲載されるということで、
今日書店で購入してきた。
…選考結果については、また日を改めて書かせていただくということでw(ぉぃ



今日の本題は、今回入手した『ゲッカヨ』の読者ページにあったある投稿。
あまりな内容だったので、全文転載させていただく。
(ゲッカヨさんごめんなさい)



  ピアプロで作詞活動しているのが親に見つかって、ケータイごと没収…。
  ミクのオリジナル曲動画を制作中だったのに、
  アカウントも削除されてしまいました。
  おかげで絵師さんとも連絡が取れなくなってしまい…
  形はどうあれ作品を途中で投げ出した自分が悔しくて悔しくて情けなくて、
  毎日泣いています…。
  見ておられるか分かりませんが、
  一緒にコラボしてくださったみなさん、本当にごめんなさい…




投稿主は19歳の女子。
正直、読んでるこちらまで悲しくなったと同時に、ムカッとくるものを感じた。



別に、出会い系サイトで異性くわえこんで、
毎晩セクロス三昧してるわけでもないし、
グリーやモバゲーで課金アイテムに入れあげてるわけでもない。

それなのに、「知らない誰かとネットでやりとりしてる」ってだけで
どうしてそこまでされにゃならんのか、と。


ひとと協力して、少しでもいいものを作ろうとしてるだけじゃん。
ムダに金銭つぎこんでるわけでもないし、
いかがわしい行為に及んでるわけでもない。
それがアカウント削除? ケータイ没収?


しかも、小学生や中学生ならまだしも、
19歳っつったらほとんどオトナと同じでしょ。
それでこんなひどい仕打ちってアリか?


仮に、学業(もしくは仕事)に影響が出てるとかだったとしても、
せいぜいネットする時間を制限するとか、その程度でいいでしょ。
何もそこまでする必要ない。



某SNSとか、2chの某スレとか見ると、
「作詞してくれるはずの子と連絡がとれなくなった」とか、
「コラボ主が作業ほっぽらかして音信不通になった」とかっていうのをたまに見るけど、
そういうのって、ブッチする側が無責任だっていうばかりじゃなくて、
こういう「容赦なき事情」で連絡とりたくてもとれなくなった、っていうケースも
ちょいちょいあるのかなぁ…と、今回の件で考えるようになった。


とりあえず、この女の子の1件は、事実ならかわいそうすぎる。

俺もピアプロを根城に作詞活動させてもらってる身なので、
他人事に思えず、あまりにひどいと感じた。



親はもうちょっと、──ほんのちょっとでいいから、
自分の子供を信用してやんなよ。
思い込みで子供の楽しみ奪って潰すなんて、
沖縄の雪遊びを一旦中止に追い込んだ放射脳モンペと同じじゃないか。



この投稿主の女の子、今回の件で気持ちが折れちゃってるかもしれないけど、
できれば、またいつか作詞活動を始めてくれたらいいな…と、心から願う。
posted by mak.kanz@wa at 23:50| Comment(2) | TrackBack(0) | 雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年03月06日

自作詞ライナーノーツ#17 「瓦礫の海」

もはやひと月に1回更新があればいい方だ、状態な拙ブログw
久々にライナーノーツ更新です。


今回のライナーノーツはこちら。


[ニコニコ動画]


[ピアプロ]

瓦礫の海 powered by ピアプロ

[歌詞]
http://piapro.jp/content/ugn7yksexq81u54m


nocchi1031氏(パレットP)とのコラボ5作目になります。



誕生日(2/17)の朝、通勤電車の中でぼへーっとTLをチェックしていたら、
クライアントが新着メッセージのバッヂを表示。
開いてみると、それはnocchiさんからの作詞依頼。

「うはwww偶然とはいえ超嬉しい誕プレもろたwwwヒイヤッハー!!!(AAry」
と小躍りしながら、職場に着くなりそそくさとオケをDLし、
昼休みを利用して譜割おこし。


…耳に飛び込んできたのは、みなぎるような疾走感のあるリズムと、
ひりひりと痛む傷のような切ないメロディ。

その瞬間、「この曲には、このテーマを乗せなければ」と思い立ち、
ちょっと前から思い描いていた内容を書きつけはじめました。



すでに聴いていただいた方や、歌詞を見てくださった方には
もう想像がついていることとは思いますが、本作は

東日本大震災の災害廃棄物(震災由来瓦礫)の広域処理受け入れ拒否

が根底のテーマです。




2/9の記事でもちょっと触れましたが、俺の実家の菩提寺は宮城県沿岸の某町にあります。
マイクロバスで寺へ向かう道すがら、車窓から見える海岸近くの住宅地は、
ほとんどの区画が更地か、さもなければ建物の基礎だけを残してすべてが消え失せていました。
かろうじて残った家屋も、1階部分を半分ほど波に抉られたり、
窓ガラスがすっかり割れ落ちてサッシだけになっていたりと、惨憺たるありさまでした。


  何もかも消え失せた町と 空っぽのわたしに雪が降る
  あの日を忘れたかのように 凪いだままの海



曲冒頭の歌詞は、あの日俺自身があの町で見た、そのままの風景です。


1年近く経っても、何ひとつ終わっていない、震災という現実。
それを目の当たりにした時、全国各地で起きている『瓦礫受け入れ拒否』という問題が、
やりきれない感情をもって、俺のこころの中で鎌首をもたげ始めました。



自分の住まう東京都は、早い段階から広域処理受け入れを表明し、
実際に宮古市や女川町の瓦礫の処理を担当してきました。
それもあって、他の自治体で瓦礫処理に反対する市民
(…と言っていいのか不明な連中もいますが)たちの声に、
違和感と腹立たしさを感じていました。

被災地だけでは処理しきれない膨大な量だから、協力してほしい。
国全体で手をとって、復興を進めるために。


  堆く積もった絶望 その中に希望を探すのは
  ひとりじゃできないから 手を貸してほしいだけ



それだけのことなのに、なぜ協力できないのか。


原発から150km以上離れた町(当時の風向き的にも、放射線には汚染されていない)の、
線量的には通常の産業廃棄物と何ら変わるところのない瓦礫を処理するわけであって、
何も福島第一原発の原子炉から持ってきた燃料棒を直接地中に埋めるわけじゃない。


  なのに 見えない何かを 疑い恐れて
  すべてを 拒絶するのはなぜなの





にもかかわらず、地図で確かめることすら放棄したかのように、
東北全域を高濃度汚染地域のように呼ばわり、
「放射能まみれのゴミを我々の街に持ち込むな!こどもたちの健康を守れ!」
などと喚き、線量計測の結果にすら目をそらす、
恐怖におびえた視野狭窄なひとたちの姿が、これでもかと報道される。


  かすかな願いに 耳をふさぎ
  穢れはいらないだなんて
  勝手な叫びは 誰のためなの





そういった報道を目に・耳にするたびに、こころの中に澱のように降り積もる怒りと悲しみ。


この曲のオケをひと通り聴いた時、その感情が自分の中ではじけました。




津波は町を飲み込み押し流し、瓦礫にしてしまった。
そしてその瓦礫が、ひととひととのこころのつながりを押し流してしまった。

そんなことを思いました。


  瓦礫が押し流した 絆を探して
  いつまでわたしたちは さまようのだろう
  嘆きの海を



「わたしたち」とは、

復興に向けて、あがきながらでも前に進みたいと願いながらも、
遅々として進まない道のり(瓦礫処理のみならず、政府の施策なども含め)の前に、
悲しみにくれる被災地のひとびとであり、

些細な──それでいて強大なエゴに拠って、
同じ国にいるひとびとと共に手を取りあうことを拒否してのける者がいるという事実に、
諦めそうになってしまう我々ひとりひとりのことでもあります。



今回たまたま、震災から1年が経とうとする節目の時期に、
この歌詞をものすることになったわけですが、
3/11に間に合うかどうかは、作詞する上では全くどうでもいいことでした。

この想いを。
この叫びを。
形にしなければ、自分が自分でいられなくなるような、そんな気がしたから、
俺はこの詞を書き上げました。




そんな俺の気持ちを汲んでくれたかのように、この歌詞をボツにすることなく、
絞り出すようにかすれた声で歌わせてくれたnocchiさん。
(特に「自分の領域だけが〜」の部分は、まるでMEIKOが涙声で歌っているようで、
 こみ上げるものを禁じえませんでした)

そして、その声に絵という生命を吹き込んでくれたrumecoさん。

[イラスト(ピアプロ)]

瓦礫の海 powered by ピアプロ


おふたりには感謝してもしきれません。




東北の血を引く民として、今書けるありったけの想いを・魂を、
この歌詞には込めたつもりです。
聴いてください。お願いします。





posted by mak.kanz@wa at 23:52| Comment(0) | TrackBack(0) | ライナーノーツ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする