2010年09月23日

自作詞ライナーノーツ#5 「つきにおもいを」

日付変わってしまいましたが、今日(2010/09/22)は「中秋の名月」。
ということで、ライナーノーツ第5回目としてこの曲を。


[ニコニコ動画]


[ピアプロ]

【ProjectFS】つきにおもいを(2008年09月向け) powered by ピアプロ

歌詞はこちらです。
http://piapro.jp/content/5fh0otqk7f6xicky


ピアプロのユーザーコラボ
『ボカロで綴る季節の歌プロジェクト (ProjectFS)』に投下した詞です。


このコラボは、その名の通り
「季節ごとのボカロオリジナル曲」を作ろうということで立ち上がったコラボです。
(ピアプロのコラボ機能実装後、2番目に立ち上がったコラボでもありました。
 残念ながら、コラボ主および中心メンバーの多忙もあり、
 2009年3月にコラボは活動終了しましたが)

コラボメンバー間で、毎月テーマを募集し、
選ばれたテーマを元に詞先で楽曲を作成していくというスタイルでした。


この曲は、2008年9月のテーマ(十五夜/月見・秋の七草)として作成された曲です。
テーマ決定後、1番乗りで歌詞を投下したものの、
俺の他に歌詞をうpするメンバーはおらず…(´・ω・`)

結果として無投票状態で9月テーマに採用されましたが、
正直寂しい感じもしました。
(きっとみんな本業が忙しかったんだろうと思いたいところですが)



今回の詞について語る前に、ひとつ前提知識として説明を。

俺は小学1年の夏〜5年の秋までを、仙台で過ごしました。
で、仙台の…というより、宮城県の小学校では、
国語の時間に、生徒に詩を書かせるという授業内容がありました。
(今もそういう授業が実施されているかどうかは知りませんが)

俺も例に漏れず、授業でいくつも詩を書いた覚えがあります。
(もしかしたら、俺の作詞活動の原点は
 あの頃の国語の授業にあったのかもしれません)

で、そうやって生徒が書いた詩の中で、特に優秀な作品を集めた
『詩を書くみやぎの子ども』という副読本がありました。
俺も3年生だか4年生の頃に学校でもらいました。
残念ながら、その後たび重なる引っ越しのうちに処分してしまったらしく、
今はもう手元にはありませんが。
(副読本という特殊なモノだけに、ヤフオクにも出るわけがなく。
 処分するんじゃなかった…orz)


その『詩を書くみやぎの子ども』に収録された詩の中で、
子供ごころにものすごく印象に残った詩がひとつありました。
どこの学校の子だかは憶えてないですが、
母親を早くに病気か何かで亡くした子の書いた詩でした。
ちょっと記憶もおぼろなんで、正確ではありませんが、
その内容の一部、──特に印象に強く残ったところを引用します。


------

 すすきも おがりました(※)
 虫もなきました
 いつ 会いにきますか

 まくらもとに かがみをおくから
 うつって ください
 天国がとおくて ぼく いかれません
 毎日 まっています


 (※)おがる・・・宮城県の方言で「育つ、大きくなる」の意味

------


大人になり、自分が「母親を亡くした立場」になった今、
あの頃よりもなおさら、この詩が切なく悲しく感じられます。

ProjectFSで、2008年9月のテーマが「十五夜」に決まった時、
真っ先に思い浮かんだのは上記の詩でした。
「モチーフはこれしかない」、──そう思って、
サビのフレーズから手をつけ、徐々に書き上げていきました。


もっとも、そのまま子供の視線での風景を描くのはさすがに困難だったので、
詞にするにあたって、主人公と背景は差し替えました。

FS投下版では、主人公は「妻に先立たれた、40歳手前の男」にしました。
十五夜の満月の下、縁側にぽつりと座り、
おそなえしたススキの穂が風にゆらり揺れるのを見つめながら、亡き妻の笑顔を思い浮かべる、
…そんな風景を描きました。

1コーラスBメロの以下フレーズは、
ストーリーの味付けとして、こうだったらより切ないだろうか、
という気持ちで加えたフレーズです。
(実際問題、中秋の名月の日が必ず晴れだなんてことはないわけでw)



 あの時からなぜか 満月の日はいつも晴れで
 こぼれる寂しさを 痛いほどに照らし出すんだ



そして、上述した『詩を書くみやぎの子ども』収録作品の、
「まくらもとに かがみをおくから」というフレーズを、
サビのモチーフに持ってきました。



 照らす月明かり その光の中
 探しているのは 君の姿ばかりで
 見上げる夜空に 浮かんだ鏡は
 僕ひとりだけを ただ静かに映してる


  :
  :

 揺れるススキの穂 その向こう側で
 君はいつまでも あの日の笑顔のまま

 照らす月明かり その向こう側に
 僕は今もまだ 君の姿を探す
 でもその背中は あまりに遠くて
 紡いだことばも 風に消えて届かない




この詞は、今でも俺の中では(手前味噌ですが)お気に入りの詞のひとつです。

脳内に浮かんだイメージを、歌詞の中の世界にどれだけ反映できたかという意味での
「詞の出来ばえに対する満足度」という点では、
「Winner Takes All」と並んで、自分の書いた歌詞の中では最も点数の高い歌詞です。

ProjectFSのテーマが、俺にいい材料を与えてくれたと、今でも思っています。



社季斎さん(今宵P)が書いてくれた曲も、
秋の夜のような、透明で少しひんやりする空気を感じさせる
いいメロディとアレンジだと思っています。
よければ聴いてください。



posted by mak.kanz@wa at 00:23| Comment(0) | ライナーノーツ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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