2017年02月18日

自作詞ライナーノーツ#25 「鐘」

そしてまたもや1年ぶりの更新…
更新できるネタがあるだけいいっちゃいいのかもしれませんがw


ということで、今回もライナーノーツ…なんですが、
今回の曲はピアプロ限定公開曲です。
(ピアプロ限定曲のライナーノーツは初めてかも)
こちらの曲です。


[ピアプロ(mp3)]
http://piapro.jp/content/jwc53blfhfwxkejs

(ピアプロプレイヤーがHTML5に仕様変更されたため、
 従来のようにブログへの埋め込みができなくなりました。
 お手数でも上記リンク先から聴いてください)

[歌詞]
http://piapro.jp/content/x90t8o0qnpixy5d9


nocchi1031氏(パレットP)との記念すべき10作目のコラボ作
」です。



…実はこの作品、公開順では10作目となりますが、
歌詞の投コメにも書いた通り、歌詞作成順でいうと
「3作目」のコラボとなります。


オーダーを受けたのは2010年の2月。
確か、バンクーバー五輪が開幕する前後ぐらいだったと記憶しています。
それまでの2作(「Winner Takes All」・「1987」)は、
オーダーにあたり特に歌詞テーマの指定はなかったのですが、
この時は初めて、オケ受領時にnocchiさんから歌詞のテーマの指定がありました。


 「理解しあえない虚しさ、無力感」


それが、依頼を受けたテーマでした。


譜割おこしをしながらテーマに思いをめぐらせることしばし。
浮かび上がった題材は、

 「戦争と宗教
 「男と女

のふたつでした。


「戦争と宗教」をパターンA、
「男と女」をパターンBとして、パラレルで制作開始。
書いているうちにどちらかに絞れるだろう…と思っていたのですが、
1本に絞ることのできないまま制作を続けることに。

そして、2本の歌詞の作成を始めてしばらくしてからも、
まだタイトルは未定のままでした。
どうしようかなー…と思いながら改めてオケを聴いた時、間奏とアウトロ
(当初もらったオケは、完成版とは異なり、イントロにはSEは入っておらず、
 アウトロの処理も違いました)にインサートされたチャーチベル
──「鐘」の音が、ものすごく印象的に響いてきました。
その音だけが浮き上がって聴こえてくるような。

折しも世間は、先述の通りバンクーバー五輪の時期。
そのシーズン、浅田真央選手がフリープログラムの楽曲として使っていたのが、
セルゲイ・ラフマニノフの「鐘(前奏曲嬰ハ短調)」。
あっさりインスパイアされて、この歌詞のタイトルも「鐘」になった…
という次第です。
(当初のピアプロ投コメでは「関係ありませんw」なんて書いてましたが、
 実は関係ありまくりだったというw)


そんなこんなで、気がつけば2本ともフル尺の歌詞が完成w
そのため、2本ともnocchiさんに納品し、
「どちらか気に入った方の歌詞を選んでほしい」とお願いしました。

結果、nocchiさんが選んだのは「パターンA」。
一部歌詞が字足らずな箇所があったため修正し、
ほどなく完成版の音源を送ってもらいました。


しかしその後、この曲が表に出てくることはなく。
後々、「動画の作成に難渋している」的な状況をちらっと耳にしましたが、
あまり突っ込んだ話は聞いてないので、
ニコ動での公開に至らなかったほんとうの理由は判りません。
(俺が根掘り葉掘り訊くことでもない気もしたので)


それはさておき、肝心の歌詞についてもつらつらと。


上述の通り、オケから導かれたタイトル「鐘」。
題材をキープしつつも、歌詞の内容はタイトルに集約されていく形になりました。


  老人の願い乗せ 飛ぶ鳥を
  少年の銃弾が 撃ち抜いて
  青空 真っ赤な羽が隠した



イントロ〜歌詞冒頭は、
「鉛色の曇り空・カテドラル前の噴水広場」。
噴水の縁に腰かけて、広場から飛び立つ鳥を眺める老人。

そして2行目は、西アフリカだか東南アジアだかの
ゲリラ組織に加わり、機関銃を手にした少年兵のイメージ。

銃弾に打ち抜かれた「平和の象徴」は、
鳴き声もあげず、血に染まった羽を散らせながら
まっさかさまに落ちていく。


  父親は 片道の旅に出る
  幼子は その帰り待っている
  乾いた大地に 落ちた十字架



Aメロ2段目は、中東の戦地に派遣されるアメリカ兵と、
何も知らずに自宅で待つ幼い子供。
…その父親がどうなったかは、語るまでもなく。


  同じ理想描きながら 人は
  違う信仰のため 互い傷つけ


   :

  同じ地球に生きながら 人は
  違う理想に縛られて 互い憎んで



何の争いごともなく。
互いに笑顔をかわしながら。
誰もがそうやって過ごしていきたいはずなのに。

信じるもの、拠って立つところがほんのちょっと違うだけで、
人は互いに罵りあい、傷つけあい、そして憎みあう。
その「ほんのちょっとの違い」は、
どこまでも深い急流のように我々を隔てる。



  聴こえない歌を叫び 流した血は
  誰にも届かぬまま消えて
  かなわない願い 嘘っぱちの救世主
  僕らの祈り声を嘲笑うように 鐘は響く



かつて救世主とされた存在たちが、
今の世の人々を救ったことがあるのか。
傷つけあうだけの世の中に何もしてくれないのに。




──そんな想いを刻むようにして、この歌詞はできあがりました。



あれから7年。
世界は平和に向かうどころか、より細切れに分断され、
人々の憎しみもさらに先鋭化している気がします。

この歌詞を「そんな時代もあったね」と言える日は、
我々の生きているうちに来るでしょうか。
posted by mak.kanz@wa at 01:18| Comment(0) | TrackBack(0) | ライナーノーツ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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