2011年08月04日

自作詞ライナーノーツ#15 「Set and Go!! −with Advanced Rhythm−」

2ヶ月半ぶりのライナーノーツになってしまいましたw

今回の曲はこちら。


[ニコニコ動画]


[ピアプロ]

【ピットソング09】 Set and Go!! −with Advanced Rhythm− 【痛車向け楽曲】 powered by ピアプロ

[歌詞]
http://piapro.jp/content/qfhx9tkzz8qaol02


2008年6月に、ピアプロ公式コラボ『痛車デザイン募集!』企画で募集された
レーステーマ曲部門の応募作品です。



モータースポーツに関する作品としては、
2008年3月、当時全日本ロードレース選手権・250ccクラスに参戦していた
関口太郎選手の応援ソングである「プラスμ」(作曲:きえんじんさん)に、
2コーラス以降の作詞担当として参加させてもらったことがあります。


ちなみに、その「プラスμ」はこちら。

プラスμ - 完成版 【オリジナル@Team2ch】 powered by ピアプロ

(歌詞: http://piapro.jp/content/ya3dxntkn708t640


…すみません、ちょっとコースオフしましたw

ともかく、この『痛車企画』を目にした時、
「…これはあの時の経験が生きるかも。ぜひ書かねば!」
と思った俺は、早速作詞にとりかかりました。
(俺自身、モータースポーツフリークでもあるので)


どんな感じの詞にしようかと思っていた時、
たまたま『初音ミクみく』さんの以下記事を目にしました。


 初音ミクとBMWとSUPER GTについて妄想したら楽しかった件について
 http://vocaloid.blog120.fc2.com/blog-entry-1413.html


記事の記載内容をもとにググった上で、
SUPER GT公式サイトから情報をたどっていくと、
そこには確かに、BMW Z4でエントリーしているチームがw


「…そもそも、ラジコンレース程度の企画だったら、
 何もレーシングスーツのデザインまで募集する必要ないよな?
 それに、テーマソングってのも、
 もしかしたら鈴鹿8耐の予選セッションみたいに、
 タイムアタック時にBGMとして流す曲なんじゃないのか?
 (注:この時点では、SUPER GTの「スーパーラップ」というシステムは
    知りませんでした)

 どうみてもSUPER GT参戦企画です、ほんとうにありがt(ry」


ということで、初音ミクみくさんの「推測記事」から、
この「痛車企画」が「SUPER GTへの参戦企画」であると断定した俺は、
それを前提にした詞の作成にとりかかりました。


検索した結果判明した件のチーム名は『Studie & GLAD with ASADA Racing』。
「曲のタイトル(の各単語)の頭文字と、チーム名の頭文字揃えたら面白いな」
と思い立ち、まずはタイトル決定。
ちょうど、手持ちのタイトル候補フレーズの中に「Advanced Rhythm」というのがあったので、
これを流用して「Set and Go!! −with Advanced Rhythm−」という
本作品のタイトルが決定しました。


  Studie &  GLAD with ASADA  Racing
  Set  and Go!! −with Advanced Rhythm−


…頭ひねって工夫した割に、誰にも気づいてもらえませんでしたが(´・ω・`)



とはいえ、単なる言葉遊び的な理由でこのタイトルにしたわけではありません。
一応、ちゃんとした理由もありますw

メインタイトルの「Set and Go!!」は、予選グリッドからフォーメーションラップを経て、
グリーンフラッグとともに加速していくその様を表現。
そして、サブタイトルの「Advanced Rhythm」には、

・(先端技術の集合体である)レースエンジンの奏でるエキゾーストノート
・「電子の歌姫」ミクの奏でるメロディ

というふたつの意味を込めました。

肝心の詞は、8月に開催される「鈴鹿1000kmレース」をイメージしました。
(ASADA Racingにとっては2008年度初戦、ミクGTとしては初参戦レース)



  真夏の太陽の下、ミクZ4がサイドバイサイドのバトルをくぐり抜け、
  トップでチェッカーフラッグを受ける姿。
  ピットウォールにしがみつき、歓喜の雄叫びをあげながら、
  そのマシンを迎えるスタッフたち。

  目指すものは「最高の結末(=優勝)」。
  それをつかむまであきらめたりしない──




…そんな情熱的な光景を描いたつもりです。
「なびく翠の翼」という歌詞は、もちろんミクの髪をイメージしています)

まぁ実際、初戦から優勝できるとは思ってませんでしたけど、
そこはそれ「イメージ」というものが…ねw


そんな折、Rino Mikaさんが「昔の曲を発掘した」という日記を
当時にゃっぽんで書いていたことから、
「いい曲あったらコラボさせてください!」と、
相手の都合も省みず、詞を持ち込んでアポなし営業を敢行しました。
(この当時から、俺のこういう傍若無人なところは変わってないようです…w)

そして気がつけば、ピアプロ『旋律のおもちゃ箱』コラボの
メンバーの多くを巻き込む大プロジェクトに発展していましたw
タイトな日限の中、〆切間際の真夜中にランナーズハイ状態での
音源のやりとりを繰り返し、ギリギリで曲は完成しました。

T-SQUARE風味の強かった原曲は、
コード変更と、Kouhei氏&syunkitさんのカッコいいギター追加も相まって、
アドレナリンだだ漏れの疾走感あふれるロックナンバーになりました。



正直なところ、
「これはイケる!」という気持ちをちょっと持っていたのも事実ですが、
結果はそれに反して落選。

その後、ピアプロ開発者ブログで、正式にSUPER GTへの参戦が発表されたこともあり、
当時の『落選』という結果は、心底悔しかったです。

クライアントであるASADA Racingの求めるものと、この曲がマッチしなかったのか、
それとも俺の詞のクオリティの足らなさゆえなのか…
当時はそんなことをぐるぐると考えたりもしていました。



しかし、翌2009年。
ASADA Racingが手を引いて、運営形態が多少変更になったものの、GT参戦は継続。
それどころか、今度は『毎戦のピットウォークで流すBGM募集』という企画が。

前年のリベンジを果たすべく、Rinoさんをそそのかし(笑)、
再び応募タグをつけてエントリー。
そして、ついに採用という喜ばしい結果を得ることができました。


2008年は、マシンの信頼性も戦闘力も低く、
スーパーラップには1度も進めなかった(それどころか決勝進出が最終戦のみ)ミクZ4。
2009年も、スーパーラップへの進出はできませんでした。

それを考えると、予選スーパーラップセッションに進まなければ
会場に流せない「テーマソング」より、
確実に毎戦流してもらえて、訪れた観客の耳に入るピットウォークソングの方が、
結果としては相当においしかったかな…と、今にしてみれば思います。



手前味噌ですが、今でもミクGTのニュースを見る時は、この曲が脳内再生されますw

レースを離れたところで聴いても、アドレナリン全開になるイケイケな曲です。
何かする前に気分を奮い立たせたい方に、ぜひオススメしたいです。






そしてこの曲ですが、昨日(2011/08/03)発売されたコンピレーションCD
『初音ミクGT Project Theme Song Collection』に収録されました!


[Amazon購入ページ]
初音ミクGT Project Theme Song Collection / オムニバス (CD - 2011)
http://www.amazon.co.jp/dp/B0052PN7K8


2008年〜2009年のチームメインテーマソング「Stop and Go」から、
今季(2011年)の最優秀テーマソング「Winning Road」までの全19曲を
余すところなく網羅したアルバムです。
よければぜひ、このアルバムで『ミクGT』の歴史に触れていただきたく。

posted by mak.kanz@wa at 04:47| Comment(0) | TrackBack(0) | ライナーノーツ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年05月23日

自作詞ライナーノーツ#14 「Porta da Vida」

今回のライナーノーツは、
現在のところ「俺的ニコ動最新作」である、こちらの曲です。


[ニコニコ動画]


[ピアプロ]

Porta da Vida powered by ピアプロ

[歌詞]
http://piapro.jp/content/9fwby5vkmmpfb0ad


nocchi1031氏(パレットP)とのコラボ4作目になります。
イラストにrumecoさんを迎えてのコラボという点では、「1987」以来になりますが。



今回、TwitterのDMで作詞のオーダーをいただいたのが、5/9(月)のこと。
希望する歌詞のイメージを伺ったところ、ボサノバ風のムーディーなオケと一緒に
「大人の女性な雰囲気の歌詞が」というイメージをいただきました。

オケをDLし、譜割おこしのために聴きこんでいる最中、
「これも一緒に」と送られてきたDMには、
rumecoさん謹製のいい雰囲気のイラストが。

[イラストはこちら]
http://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=18933782



「…え゙??? オケも絵もある、ってことは、
 これってもしかして『詞待ち』ってこと?

 ちょwww俺の作業待ちとか超プレッシャーwww
 しかも何wwwこのふつくしいイラストwww
 うはwwwwwwwみなぎるけどハードル上がりんぐwwwwwww」



もう、いろんな意味でおかしなテンションになって、
草でも生やさなきゃ逆に冷静になれないような、そんな勢いでしたw



とはいえ、うぇうぇ言っててもタスクは進まないので、
「大人の女性」というイメージからどんな詞にしようか検討開始。


で、「このMEIKOにはどんな雰囲気の歌詞が合うだろう…」と思いながら
rumecoさんのイラストを見ていたんですが、
まず強い印象をもって飛び込んできたのは、その「瞳」でした。

どこか愁いを含んだような、それでいて「海のような深さ」をたたえた瞳。
そのまなざしに、
『何もかもを優しく受け止めて許す包容力』を感じました。



そこから導き出された主人公の姿は、「待つ女」。



  小さな港町の小さな酒場。
  薄暗い灯りが頼りなく照らし出すステージの上で、
  長年使い込まれたスパニッシュギターを爪弾きながら歌う女性。

  彼女には、胸に想うひとがいる。
  しかしその想い人は、自由気ままに旅の空を往く日々を送り、
  今日もどこかをふらふらと放浪している。

  わがままで子供みたいなひとだけれど、
  誰よりも優しくて、かけがえのない彼の帰りを待ちながら、
  彼女は今夜も「裏路地の歌姫」として、酒場のわずかな客のために、
  そして彼のためにそっと歌い続ける──




というコンテが脳内に書きあがりました。
勝手気ままな男(船)を、静かに待ち続ける女(港)…というイメージです。

そして真っ先に打ち込んだフレーズが、いちばん最後の


  わたしはあなたの港 ずっとここにいるから


でした。
そこから先は、サビ⇒Bメロの順で、比較的順調にフレーズが浮かんできました。
相変わらず、Aメロのフレーズにはちょっと悩みましたがw


Aメロのフレーズと同じぐらい、タイトルも思い悩みました。
「港」をキーにした日本語では、
タイトルだけがやたら演歌くさくなりそうに思えたからですw
さりとて、英語タイトルでは何かフィットしないような気もして、
どういう風にしようか思案投げ首。



「…そうだ。ラテン系の言語にしてみよう」



早速Google翻訳のページを開き、
サビのフレーズにも使った「わたしはあなたの港」という文章を、
イタリア語・スペイン語、そしてポルトガル語に翻訳。
しかし、それでも何となくしっくりこず。

その時、ふとひらめきました。

「男はいつでも、女という港に帰るもの。まさにそれは『人生の港』じゃないか」

で、今度は「人生の港」を、上述した3ヶ国語に再度翻訳。

「そういや、ボサノバはブラジル発祥の音楽だし、
 ブラジルの公用語であるポルトガル語にしてみよう。
 主人公のいる酒場も、何となくポルトガルの港町っぽいイメージで考えてたしw」

ということで、ポルトガル語の翻訳結果である
「Porta da vida(ポルタ・ダ・ヴィーダ)をチョイスしました。



そして、歌詞納品から3日後。
「天使も聖者もこの街にはいない」の時と同様、あっという間の動画うpに、
またもや「ちょwwwパレさん仕事早ぇwwwwwww」
と驚かされましたw



今回は、本当にrumecoさんのイラストに助けられました。
あのイラストがあったからこそ、この歌詞は生まれたと思っています。
(ガットギターとボサノバというキーワードだけで、オケもなしに
 あの絵を3時間で仕上げたという点は、驚嘆というか賞賛の一語に尽きます)

nocchiさんのオケも、聴けば聴くほどに
胸の奥にじんわりと沁み込んでくる味わいの深さで。
このオケを誰よりも真っ先に聴くことができるという「曲先コラボのメリット」を
今回もたっぷりと味わわせていただいた、という感じです。

おふたりのクオリティが高すぎるので、毎回々々
「何か俺だけがいろんな意味でショボいよなぁ…」と思ったりもしていますが(´・ω・`)



これからの季節に合いそうな曲なので、、
静かにグラスでも傾けながら聴いていただければ、と思います。
ぜひ。





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2011年04月27日

自作詞ライナーノーツ#13 「エレーナになれなくて」

今回のライナーノーツはこの作品です。


[ニコニコ動画]


[ピアプロ]

エレーナになれなくて powered by ピアプロ

[歌詞]
http://piapro.jp/content/6t6fgn5h5eyfn6lr


HM-Networkコミュでお世話になっているボカロ調教師・さいるさんの
初オリジナル楽曲に、歌詞を提供させてもらいました。


ニコ動のタグにもある通り、この曲(歌詞)は
フィギュアスケートペア・ロシア代表の川口悠子をモデルにした作品です。


2010年のバンクーバー五輪の後、かなり気分が盛り上がったので、
かねてから書きたいと思っていた
「フィギュアスケートを元ネタにした詞」を手がけようと思い立ちました。

どうせ書くなら1本だけではなく、また『私的3部作』にしてみようと思い、
都合3本を一気に書き上げましたw
本作はその1本目となります。
(残り2本は未だにピアプロで店晒し中ですがw)



本作のモデルになった川口悠子は、
もともとシングルスケーターとして活動していました。
(年齢的には、トリノ五輪金メダルの荒川静香と同い年です)

そんな彼女がペアへ転向するきっかけになったのは、
1998年長野五輪での、エレーナ・ベレズナヤ&アントン・シハルリゼ組の演技だったと言います。
エレーナ&アントンのコーチであった、タマラ・モスクビナ氏への熱烈なアピールを経て、
彼女はロシアでペア選手として活動するようになります。



その後、何度かのパートナー変更を経て、
現在のパートナーであるアレクサンドル・スミルノフと組んで以降、
彼女はロシアのトップペアとしてその地位を確立しました。
バンクーバー五輪直前の2010年ヨーロッパ選手権では、
フリースケーティングで世界最高得点(当時)を叩き出して、初の欧州チャンプに。
当然ながら、五輪での「ロシア代表ペア13連覇」の期待も高まりました。



しかしながら、五輪のフリースケーティングでは、
最大の決め技である「スロー4回転サルコウジャンプ(以下Th4S)」に失敗。
その他にも細かいミスが出て、金メダルはもとより表彰台も逃してしまいました。

フリーの演技直前、モスクビナコーチと川口が言い争うような場面がありました。
恐らくは、確実にメダルを獲るためにTh4S回避を提案した(であろう)モスクビナコーチに対し、
五輪という舞台で、出せるものを全部出し切ってメダルを獲りたいと願う川口の意見が
対立したのではないかと思わるような、そんなシーンが展開されました。
(困ったような顔でそれを見ていたスミルノフの姿も印象的ではありましたがw)



五輪の金メダルという目標のため、
生まれた国を遠く離れ、そして国籍まで変更してスケートに賭けたその強さと、
その「憧れのひと」が立った高みに、ほんのちょっとだけ届かなかった悲しみと。

フリー演技の後半、転倒した際に痛めたのか、
左の手首を押さえながら演技に復帰していく川口の姿に、そのふたつの感情を強く感じ、
「彼女のことを詞に書きたい」と思いました。
そうしてできあがったのが、この「エレーナになれなくて」です。



折りしも、本日(4/27)から、モスクワで2011年の世界選手権
(震災影響による東京開催からの代替)が本格スタートしています。
(予選は月曜から始まっていましたが)

本来の開催地・東京、代替開催地・モスクワ。
どちらに転んでも、川口にとっては「自国開催」。
今晩のショートプログラム、明日のフリースケーティング。
これまでよりもうひとつ(できればもうふたつ)上を彼女が獲ってくれたらいいな、
と思いつつ。



そして、2014年・ソチ五輪の表彰台で彼女が微笑んでくれることを願いながら、
あわせてこの曲も聴いていただければな、と思っています。





posted by mak.kanz@wa at 11:10| Comment(0) | TrackBack(0) | ライナーノーツ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年04月13日

自作詞ライナーノーツ#12 「サクラアメ」

最近すっかり月イチ更新になりつつあるライナーノーツですが…w


今回はこちら。


[ニコニコ動画]


[ピアプロ]

【コラボ】サクラアメ 再調整Ver1.0 powered by ピアプロ

[歌詞]
http://piapro.jp/content/aiwe1bfim70p2u54


もう3年以上も前の作品なんだなぁ…としみじみ。


この曲は、自分にとって通算3作目のコラボ作品であると同時に、
初の「詞先コラボ曲」でもあります。


2007年12月末に、ピアプロが歌詞投稿可能になったおかげで、
それまでただのROM/DOMだった自分にも活動の余地が生まれました。

昔に書いた作品を2本ほどうpした後、
テレビ東京『うぇぶたまww』の「ベストプロデューサーコンテスト」の企画を知り、
「誰か拾ってくれたらいいなぁ」と思いながら、この詞を投下しました。

また、ピアプロに投稿した作品の中で「完全書きおろし」はこの詞が最初でした。


歌詞そのものは書きおろしですが、「サクラアメ」というタイトル自体は、
2006年の時点ですでにアイデアストックとして手元にありました。

そのタイトルを思いつくきっかけになったのが、この桜でした。


IMG_0049.jpg


「日本さくら名所百選」にもその名を連ねる、都立小金井公園の桜です。


タイトルを思いついたのは、桜を眺めながら散歩していた時のことです。

ちょうど満開の時期を少し過ぎた頃で、どの木もはらはらと花びらを散らしていました。
その光景──「花びらの雨」を見た瞬間、
この「サクラアメ」というタイトルが、花びらと一緒に降ってきました。


ベストPコンテストの楽曲テーマが「春」ということで、
単純にも「春⇒桜」というイメージで考えた時、
真っ先に思い浮かんだのは、この「サクラアメ」というタイトルでした。


で、いざ書き始めるにあたり、当初は男性視点のストーリーで書こうと思ったものの、
浮かんでくる脳内メロディに対して、ことばが全くハマらない状況が続くありさまorz

しかし、ある時ふと

 「…ミクに歌ってもらうんだから、女の子視点でよくね?」

と気づいてからは、一気にことばが湧いて出てきた感じでした。


その中でもいちばん最初に出てきたのは、最後のサビのこのフレーズでした。


 あなたの名前を 最後に呼んだのは
 サクラのアメ降る 春の宵でした



このフレーズにつながることばをどんどん紡いでいったら、
当初「前向きなイメージにしよう」と思っていた詞が、
一気に「わかれうた」方面へシフトw


最終的にできあがったのは、


  恋人を失って わたしはひとりきりで桜を見上げる
  あの日 この桜並木の下を並んで歩いたあなたはもういない

  いくら手を伸ばしても 触れるべき背中はもうなくて
  いくら声をからしても 振り向いてくれる笑顔ももうなくて

  あなたに届かないなら この世界なんていらない
  忘れられずに わるい夢ばかり見てしまうなら
  わたしは どうすればいいの──



という女の子を主人公にした詞でした。

(この女の子が「なぜ恋人と離れたか」は、詞の中では明示していませんが、
 フラれたりして別れたというものではなく「二度と会えなくなった」
 という感じで解釈いただければ、どんなシチュか何となく想像いただけるかと)



基本的にサビ部分が、「出逢い〜喪失後の現在」を示す時系列的流れで、
Bメロ部分が「現在」、Aメロ部分が「追憶の心情」的な感じに
うまくまとまりました。
サビ以外の部分はそれほど意図したものではなかったのですがw


ただ、「意図しなかった」分だけ、Bメロ・Aメロの歌詞には、かなり苦心することに…

特に最後まで悩んだのが、1コーラス目冒頭の2行。
ある意味いちばん肝心な出だしの部分ゆえに、
どういうフレーズを持ってくればいいか最後まで頭を悩ませました。


しかし、その苦労の甲斐もあってか、無事にこの歌詞を拾ってもらい、
曲をつけていただけることになりました。

しかも拾ってくれたのが、
当時すでに「Holy Star」が殿堂入りして、有名Pとして名を知られていたKouhei氏!
(当時は「おっさんP」のP名で呼ばれていましたねぇ)


「Holy Star」は、俺がボカロにハマる決定打となった曲でもあります。
当然のことながら、その作者であるKouhei氏は、
俺にとってリスペクトしてやまないPのひとりなわけですが。

そのKouhei氏に詞を拾ってもらえたということで、
目から汁が出るぐらい嬉かったことを今でも憶えていますw

しかも、できあがった曲は、和テイスト漂う壮大で切ないバラード。
自分の書いた詞が、こんな素晴らしい曲になるなんて…と、
信じられないような気持ちでした。
おかげで、この詞は自分にとって、非常に思い入れの強いものになった気がします。
(ニコでも好評価米を得られたのは素直に嬉しかった!)


ただ1箇所、1コーラスBメロの
「いくら耳をすませても」の部分について
「すま『し』てもじゃね?」とダメ出しを食らったのは痛恨の極みw
これについては、歌にした時に
「すましても」より「すませても」の方が響きがよい感じがするので、
そっちを選んだ…と言い訳しておきますw
(日本語的に「すましても」の方が正しいんだとしても…ね。
 後悔も反省もしてませんwww)


それと、詞のボリュームがものすごいことになってしまったので、
それに引っ張られるように曲の尺もかなり長くなったという点が、
俺個人としてはKouhei氏に対して申し訳なく思っている部分でもあります。
(その後も、詞先コラボに限って曲が長くなるという傾向は変わらず…
 なかなか進歩はしないものでorz)



東京ではこの時期、ちょうど桜がはらはら散る季節です。
降り積む花びらにふと目をとめた時に、この歌を思い出してもらえたりしたら、
作り手としては冥利に尽きますw

よろしければ聴いていただきたいな、と。





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2011年03月02日

自作詞ライナーノーツ#11 「Vanished Promise」

結局2月はブログ更新できませんでした(´・ω・`)


それはともかく、久々になりますがライナーノーツを。


[ニコニコ動画]


[YouTube(日本語字幕版)]


[YouTube(英訳字幕版)]


[歌詞]
http://piapro.jp/content/97nr8ibaxx7r4f17


shu-t氏とのユニット 「Glint Of Sound」 でもコンポーザーとして活躍されている、
kayaさんとのコラボです。



もともとは、2009年の10月に、
kayaさんがにゃっぽんの日記で公開した音源がきっかけでした。


ご本人曰く「RPGで『村を追われました』風な感じに…」というその曲は、
まさに荒野に佇むかのような寂寥感が漂う作品でした。

そこに、拙作「帰郷」・「春休み」の2曲で詞先コラボさせていただいた
GaschaPomさん(kayaさん同様、にゃっぽんでもお世話になってます)が
アコースティックギターを乗っけるというコラボが発生。


アコギの加わったオケは、オリジナル版の寂寥感を維持しつつも、
空間の広がりを感じるような仕上がりになっていました。

そこで「ふむ、この曲にはどんな詞が乗るかなぁ…」と思い立ち、
kayaさんの日記に「作詞しますよ」的な意思を匂わせるコメントを書きつつ、
裏で譜割おこしを開始しました。



ところが、その他のコラボのタスクが入ったり、仕事が急激に忙しくなったりで、
いつまで経ってもなかなか本作の作詞にとりかかれず…orz

結局、とっかかりである「手持ちフレーズからまずはタイトルをチョイス」ができたのは、
音源初公開から9ヶ月も後のことでした。
しかしながら、曲の尺が短く、かつフレーズ数が少ないため、
取りかかってからは一気でしたがw



で、本作のコンセプトですが、

「想い人に先立たれた女性が、その『彼』へ寄せる追憶のうた」

というところでしょうか。
(まぁ、俺の歌詞にはよくあるパターンのひとつではありますw)



実は、高校時代に、部活で1作だけ小説を書いたことがあります。
とてもじゃないけど人サマに公開できるレベルの作品ではないですがw

その小説の登場人物(幼馴染の4人+転校生&後輩各1人の6人)が組んでいる
バンドの持ち歌のタイトルのひとつ…という形で、
この「Vanished Promise」も存在しています。
(今回の曲に限らず、俺がこれまで公開した歌詞には、
 そういう形でストックしてあったタイトルが多数あります。
 過去にzoomeの日記でも書きましたが、こちらのブログでもいずれ触れようかと)



小説の実質的主人公である女の子(作中でも想い人を事故で失います)が、
後年になって書いた曲(コンセプトは上述した通りです)という想定で仕上げました。

# 同様のコンセプトの歌詞は、すでに他にもピアプロにアップしており、
# 別途コラボになる予定が一応あったりします


ただ今回の場合、曲自体が短いことに加え、フレーズ数も非常に少ないため、
そのコンセプトをどれだけしっかり盛り込めるか…というのは、
作詞していて非常に苦心した部分でもあります。


ひとりの「現在」の悲しさと、
失った人・帰らない日々に対する想いの重さ・切なさ。
それらを端的に歌いきれるよう、フレーズ選定には苦心したつもりです。
が、もともとのコンセプトとバックグラウンドがアレなので、
相当に自己満足な歌詞になってしまったかな、という部分もあるかとw


同コンセプトの歌詞が、3部作的にコラボとして仕上がっていけば、
それらをリンクさせることができるので、よりわかりやすくなるのかな、
と思っていたりもします。



今回、こちらもにゃっぽんでお世話になっている絵師・切身魚さんが、
イラストと動画を手がけてくださいました。
また、YouTubeでの展開にあわせ、英訳版(&ローマ字表記版)の歌詞を
ピアプロにアップしてくれています。

[歌詞(英訳版&ローマ字表記)]
http://piapro.jp/t/ihO2



尺は短くても、多くの人の手がかかった、
濃密なコラボ動画になっています。
聴いていただければ。



posted by mak.kanz@wa at 19:08| Comment(0) | TrackBack(0) | ライナーノーツ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年12月25日

自作詞ライナーノーツ#10 「パーティーにようこそ」

連日の更新になりましたがw
今回の作品はこちらです。


[ニコニコ動画]


[歌詞]
http://piapro.jp/content/dvptjka90l1laex1


ひとつ前のライナーノーツで書いた「たとえばこんなクリスマスイブ」と対をなす
(と言ってもいい)作品で、こちらもSNS『にゃっぽん』内『HM-Network』コミュでの
クリスマスソングコラボ向けに書き下ろした作品となります。


「たとえばこんなクリスマスイブ」が『暗』なら、
この「パーティーにようこそ」は『明』サイドとなる詞です。
「たとえば〜」を書き上げた直後、そのまま勢いで書き始めていったら、
脳内メロもないのに思いのほかすんなりとイメージが湧いてきて、
最終的には1時間で完成という、俺史上最短で完成した作品となりましたw



こちらの詞の主人公は、
彼女とつきあい始めてから最初のクリスマスイブ、
初めて彼女を自分の部屋に呼ぶことになり、
あれやこれや手を尽くしてもてなそうと頑張ってる大学生の男の子です。


  テーブルに花も飾って、小さいけどクリスマスツリーも用意して、
  彼女のお気に入りのアーティストのCDもたくさん借りてきて、
  「今からおいでよ」と彼女に電話。

  「じゃ、待ってるね」と電話を切った視線のその先には、
  できあいの料理ばかりが並ぶテーブル。
  「あーあ、料理ぐらいできる男になりたかったなー」とボヤキながらも、
  彼女と過ごす最初のイブが楽しみでしょうがない、



…そういう明快なストーリーにしてみましたw



2コーラスBメロのフレーズは、
自分で言うのもアレですが、俺にしては珍しくネタ風味を盛り込んでみました。


 君を待っている間に 眺めていたサイトには
 「クリスマス中止のお知らせ」なんて書いてあったけれど
 でもそんなの関係ないよ!



電話を切った後、時間つぶしにケータイで覗いた某掲示板。
(どこかはご想像におまかせでwww)
アクセスした途端、目に飛び込んできたのは、
(この時期毎度おなじみの)「クリスマス中止のお知らせ」の文字。


  「www 毎年こんなネタ書いてるヤツがいるなw
   でも、俺のクリスマスは中止になんかしないぜ!」



という感じです。


「でもそんなの(ry」のくだりは、
動画ではミクが小島よしおの振り付けで踊ってくれていますが、
これは絵師さんGJと言わざるを得ませんw

というのも、実は小島よしおのネタは個人的にお気に入りなので、
(小島とかwもう終わコンだろw とかいうツッコミはここではなしで…)
脳内に小島が「でもそんなのk(ry」と暴れている風景を思い浮かべながら、
この部分のフレーズを書いていましたwww
そのイメージを見事に汲んでくれた、絵師(りあさん)には非常に感謝しています。


とにかく、ひたすら明るいイメージ(ちょっとアタマ悪そうに思えるぐらいの)の詞にしたかったので、
動画と相まって、そのイメージをうまく描けたかな?とは思っています。



この詞も、テラ小室P氏に作曲していただきました。
途中のラップは、「たとえば〜」と同様、
Rhymeも含めて、heeさん(KomuroFleeP)によるものです。
(こちらはまだミクwikiの記事に反映できていないので、いずれwiki更新したいです)

リア充の人もそうでない人もw よければ聴いてください。





# そしてこの曲も、リミックスバージョンが多数リリースされています。
# クリスマス限定と言わず、いつでも気が向いたら聴いていただけると嬉しいですw

TKpMix(Remix by テラ小室P氏)


TOY's MIX(Remix by SOLIDIOさん)


R's Beat mix(Remix by 右マッチP氏)


クリスマス中止ミックス(Remix by ep0dさん(他P))


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2010年12月24日

自作詞ライナーノーツ#9 「たとえばこんなクリスマスイブ」

今日(12/24)はクリスマスイブ。
ということで、数少ないクリスマスソングのライナーノーツをばw


[ニコニコ動画]


[ピアプロ]

たとえばこんなクリスマスイブ / 初音ミク (コラボ) powered by ピアプロ

[歌詞]
http://piapro.jp/content/2gsypmm8c0q924k8


SNS『にゃっぽん』内『HM-Network』コミュでの
クリスマスソングコラボ向けに書き下ろした作品です。


コミュ内でクリスマスソングコラボの企画が持ち上がったことから、
自ら「作詞させてくれ」と手を挙げたのが事の発端。
「明るい感じの曲がいいか、切ない感じの曲がいいか」というような意見が出ていたので、
どうせだったらどちらでも対応できるようにと思い、2本書き上げた作品のひとつです。
(もう1本は別途ライナーノーツ書きます)


実は、この詞の初稿を書き上げるにあたっては、とある曲のmp3を拝借していました。
もしかしたら、ミク曲になる可能性ありなオケで、
聴かせてもらったところすごくいい感じだったので、
「これにはこの詞を乗せてみたい」と思い、
mp3をリピートしながら3時間ぐらいで書き上げました。
(ちなみに、そのオケの仮題は「winter song」でした)


イメージとしては、
クリスマスを前に、彼氏と別れてしまった女性が主人公。


  何年も交際してて、彼氏からは将来的に結婚を考えている的な話も
  何度となく聞かされていたのに、
  踏ん切りがつかなくて結論を先延ばしにし続けて、
  それでも、今の心地よい関係は続けていたくて、
  ──そんなどっちつかずな曖昧な態度のせいで、彼氏から終わりを告げられて。

  失意の中、クリスマスのイルミネーションに彩られた街を歩く中、
  自分が何を失くしたのか、なぜ失くしたのかに気づき、
  華やかな風景の中でひとり立ち尽くす、



…そういうストーリーを描いたつもりです。


2コーラスのサビにある以下フレーズは、ちょっと解りにくかったかもしれませんが、


 手袋の中でかじかんで 痛みも失くす爪の上
 描いた雪の結晶が今 涙に溶けて消える



「爪の上に描いた雪」は、いわゆるネイルアートをイメージしてます。
(友人が以前、そういうネイルアートをしてもらってたのを見たことがあるので)


  薄青のベースカラーの上に、白く描いた雪の結晶。
  爪の上の雪景色は、手袋の中で徐々に感覚を失ってかじかんでいくけど、
  それは寒さのせいだけじゃなくて。
  思わずこぼれる涙は、その雪も溶かすような別の痛みを持っていて、



…一応そういうシチュエーションなんだと思っていただければw



今回も例に漏れずタイトル先行型の詞ですが、
一旦イメージが湧くと仕上がりはかなり早かったような気がしています。


そしてこの詞は、テラ小室P氏の作曲で、切ない感じのいい仕上がりになりました。
よければお聴きください。

途中のラップは、Rhyme含め、heeさん(KomuroFleeP)によるものです。
ラップ部分の歌詞については、初音ミクwikiを参照ください。
http://www5.atwiki.jp/hmiku/pages/3504.html





# 以下2本のリミックス版もよろしくお願いします(・∀・)

TKpMix(Remix by テラ小室P氏)


迷い猫Mix(Remix by ノラにゃんこさん(メンテ突入P))


posted by mak.kanz@wa at 12:24| Comment(0) | TrackBack(0) | ライナーノーツ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年11月05日

自作詞ライナーノーツ#8 「1987」

今日(11/5)は『MEIKO生誕祭』当日。
ということで、前回に引き続き、昨年の生誕祭参加作品のライナーノーツを。


[ニコニコ動画]


[ピアプロ]

1987 powered by ピアプロ

[歌詞]
http://piapro.jp/content/54ky1jhjkkpucqe8


nocchi1031氏(パレットP)とのコラボ2作目になります。



本作は、俺の書いた歌詞の中でも、
もっとも個人的というか、インターナルな(ベクトルが全く外に向いていない)作品です。

なので、ライナーノーツというよりも、ほんとうに単なる
「自分語り」的な感じになるかもしれませんが…



タイトルの「1987」は、


 シミだらけのページの隅で
 16の僕が 何かを叫んで生きてる



というフレーズにもある通り、俺が16歳だった年です。
そしてこの頃、俺はある雑誌の読者でした。


その雑誌とは、マガジンハウスから1985年に
「十代が創る十代のためのメッセージマガジン」を謳って創刊された
『ヒストリーズラン』という雑誌でした。

鬱屈して吹き溜まる、やり場のない「十代の心の叫び」をぶつけるための
「リング」を目指し、高野生・大の兄弟がマガジンハウスに企画を持ち込んで
刊行された雑誌です。

しかし、創刊からわずか2号(創刊準備号を含めても3号…)で、
当時マガジンハウス社長だった清水達夫氏と高野兄弟との対立によって雑誌は廃刊。
(休刊という名の実質的廃刊ではなく「完全な廃刊」でした)
高野兄弟は当時の読者たちからカンパを募り、
1986年5月から1987年5月にかけて「復活3部作」を自主出版の形で発行。
編集長を務めていた、弟・大が20歳になったという節目をもって、
その「ヒストリー」は幕を閉じました。


ちょうど『ヒストリーズラン』が創刊された1985年は、
尾崎豊が、12インチシングル「卒業」・アルバム『回帰線』のヒットで
世の厨二病患者たちのハートをわしづかみにした年です。
(この年は、ハウンドドッグ「ff」もヒットし、
 それら「メッセージ系J-ROCK」の一時的隆盛が始まった時期でもありました)

『ヒストリーズラン』に毎号投稿される詩・小説・マンガ、
あるいはひとことメッセージ的なものまで含めて、
そのほとんどは、うわごとのように社会の醜さやオトナの汚さを叫んだり、
「自分探し・真実探し」を喧伝するかのようなフレーズにあふれていました。
(そういう傾向を快く思っていなかった読者も無論いたようで、
 ある号のひとことメッセージでは
 「所詮みんな尾崎のコピーだ。いつまでもガキじゃいられないんだ」
 という投稿も掲載されていましたが)


この詞は、そんな16歳の頃の自分(を含めた『ヒストリーズラン』読者の姿)を、
今の俺自身が眺めて書いた、ある意味で「過去帳的自画像」のような歌詞です。

そのため、実は歌詞の中にも、
『ヒストリーズラン』誌面からインスパイアされたフレーズが多数あったりします。


 あの頃 何のためらいもないまま僕は
 ただ走り続けてた



このフレーズは、上述した「復活3部作」の最終号となった
1987年5月号の編集後記で、当時の副編集長だったK氏が書いていた


 「あの頃 何のためらいもなく 若い歴史たちは走っていたんだ」


というフレーズに通じています。
(そのK氏のフルネームでググると、現在彼が開設しているサイトや
 ブログにたどり着きますが、その現状は…)

また、


 錆びつくことばのナイフ 振りかざして


というフレーズも、創刊号に掲載されていたある詩の


 「ことばのこんぼうを振り回すのは止めにしないか」


というフレーズにインスパイアされたものです。
CBS/Epic系のアーティストに感化されまくった脳からアウトプットされることばなど、
どれだけ尖らせてみても所詮は錆びたナイフ程度にしかならない、
という自虐的なフレーズのつもりですがw



そしてこのフレーズ。


 『出逢いは歴史を創る』と 誰かの言う
 曖昧な理想に ただ衝き動かされ



この『出逢いは歴史を創る』というフレーズは、「復活3部作」創刊号のサブタイトルにして、
この雑誌がマガジンハウスから刊行されていた頃から
高野兄弟が提唱し続けてきたフレーズそのものです。

大仰な、しかしそれでいて、
今にして思えばどういう実態や理想を見出せばいいのかわからないことば。

そんなフレーズを、あの頃の自分(を含めた多くの読者)は、
熱病にうかされたように、ちっぽけでささくれた心のよりどころにしていた、
──そんな気がしています。



ちなみに、「復活3部作」完結をもって『ヒストリーズラン』が終了したこの年の12月、
尾崎豊が覚醒剤所持・使用で逮捕されたのは、多くの方がご存じでしょう。
不満にくすぶる少年少女のカリスマ(本人の望むと望まざるとにかかわらず)の逮捕で、
「尾崎的な何か・ヒストリーズラン的な何か」は、
失速フェイズに入っていったような、今ではそんな印象を持っています。


 溺れて沈むメッセージに すがりつきながら
 見えない誰かに 拳を振り上げた



このフレーズは、尾崎逮捕と、
それにショックを受けたであろう多くのファンの姿をイメージしています。




深夜のラジオから流れてくる曲の多くに散りばめられた
「真実」という名の、正体不明の甘い果実。
前段になるべき「現実」すら理解できていないのに、その果実を渇望しつづけた日々。

クスリに溺れ、やがては宗教に逃げ道を見つけたカリスマへの幻滅。

「十代のためのリング」を作ってきた人間の迷走と、そのさまざまな末路。



いくつものファクターを通り抜けてオトナになった今、
本来ならあの頃の自分は「黒歴史」でしかないのかもしれない。

でも、恥ずかしさに転がってみたところで、過去を変えられるわけじゃない。
あの頃の自分は、まさにまぎれもなく「そこにいて、走ってた」のだから。


 真実なんて名ばかりの 幼い熱に
 うかされ続けた日々
 でも何ひとつためらわず ただ走ってた
 あの時代(とき)は嘘じゃない

 今もまだ 青い幻想(ゆめ)抱えて…



最後のこのフレーズは、今現在の自分のそんな心境を込めつつ、
あの頃ほどひどい症状じゃないにしても、今もって厨二病気質から抜け出せない
自分自身を、ぼんやり眺めながら嗤うような、そんな気持ちも含めています。


図らずも、ニコ動でサムネになっているrumecoさんのイラストには、
そんな「叫び」が感じ取れるような気がします。



「天使も聖者もこの街にはいない」にしてもそうなんですけど、
なぜかnocchiさんに納品する歌詞は、
非常に個人的な心情を書いたものになってしまいます。
もうちょっと外にベクトルの向いたような歌詞も書きたいとは思ってはいるのですが…


この曲は、いつものエロギターと暴れドラムもさることながら、
シャープなホーンセクションが特徴的です。
作詞依頼をいただいた際にもらったオケには、ホーンが入ってなかったので、
完成品のmp3をもらって聴いた時には、その思いもよらなかった変身っぷりに
びっくりしたことを憶えていますw

ぜひ聴いていただければ。



posted by mak.kanz@wa at 20:52| Comment(0) | ライナーノーツ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年11月01日

自作詞ライナーノーツ#7 「Bloody Starry Crimson」

『MEIKO生誕祭2010』も目前。
ということで、今回は2009年の生誕祭参戦作品を取り上げたいと思います。


[ニコニコ動画]


[ピアプロ]

Bloody Starry Crimson -PV mix- powered by ピアプロ

[歌詞]
http://piapro.jp/content/le1xxml7b5p2ni9n


ピアプロのコラボユニット
『旋律のおもちゃ箱 〜Let's enjoy the sound〜』での制作楽曲です。
http://piapro.jp/collabo/?view=collabo&id=10061



もともとは、コラボ主宰のRinoさんの過去作品
「NeXT to NeXT」(1995年作)をベースにした曲先コラボとして歌詞を作成していましたが、
詞を見たRinoさんが、そのイメージから新規に作曲し直し、
それをベースにさらに俺が加筆(「NeXT to NeXT」の尺は2コーラス分でした)したのが
今回の作品となります。




俺個人の趣味の話になってしまいますが、
宝石(特にカラーストーン)を愛でるのが非常に好きです。
エメラルド・サファイア・タンザナイト etc...
綺麗な色の石は、見ているだけで心を癒してくれますw

その趣味が昂じて…と言っていいのかわかりませんが、
いずれ「宝石」をモチーフにした詞を「3部作」的に書いてみたいと思い、
個人的プロジェクトとして『“JEWELS”Project』という形で、
イメージを温めていました。



この詞は、その第1作目になります。



モチーフにしたのは、スタールビー。
「紅い宝石」の代表格であるルビーの中でも、
研磨後に、石の表面にアスタリスク状の放射線が入って見えるものを、
特にそう呼びます。

最上級のルビーは、ピジョンブラッド(鳩の血)と呼ばれる
鮮やかな紅色をしています。
今回のタイトル「Bloody Starry Crimson」は、
まさにその「ピジョンブラッドクオリティーのスタールビー」を表しています。



ただし、スタールビー自体の石言葉は「常に主役」。
この石言葉ではちょっとうまく詞が書けないかな、という危惧があったので、
テーマとしては、スタールビーではなく、ルビーの石言葉である
「熱情」を使うことにしました。



  ルビーのように紅く燃え上がる想い。
  私をベッドの上に組み伏せたあなたの瞳には、
  嫉妬をはらんだまま、私を征服しようとする熱情の色が浮かんでいる。

  その炎も、たぎるあなたの滴も、
  この指のスタールビーと、私の唇でそっと吸い取ってあげる。
  そしたら、今夜の私はあなたのものになるから、
  誰も知らない姿を見せ合って溺れましょう──




詞のバックグラウンドにあるストーリーは、
まさに艶かしい「熱情」。

これまでにも、そういったテイストの詞を書いたことは何度かありますが、
今回はその路線の「究極形」を目指してみましたw
そのため、歌詞の端々に
「行為の内容」を容易に想起できるようなフレーズが散りばめられていますw



実は、「NeXT to NeXT」をベースに作詞していた時点では、
男の視点からの詞でしたが、
Rinoさんから新オケもらった段階で、
女の視点からの詞にごっそりと入れ替えてみました。
(どちらにせよ、詞のストーリー展開は最初から固まっていましたが)



○-○√(まるまる)さんのふつくしいイラストと、
96necoさん(ぱいろP)のセンスあふれる動画編集で、非常に「オトナ風味」な、
MEIKO生誕祭にふさわしいにハイクオリティなものに仕上がったと思ってます。



個人的に非常に嬉しかったのは、
うp後しばらくしてから「MEIKO性誕祭2009」のタグがついたことですwww

ナモナキPムスコ大佐と同じ土俵に立てた!」と思い、
こっそり小躍りしてしまったことはここだけの秘密ですwww



何はともあれ、ぜひ聴いて・見てください。
アウアウかセフセフかの判断は、皆さんに委ねたいと思いますw


posted by mak.kanz@wa at 05:52| Comment(0) | ライナーノーツ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年10月23日

自作詞ライナーノーツ#6 「天使も聖者もこの街にはいない」

また更新間隔が空いてしまったorz
ほんとはライナーノーツ以外の記事も書きたいところなんですが、
にゃっぽんの日記で事足りてしまっているのでこちら向けのネタがなくw


それはともかく。
今回のライナーノーツはこちらの曲です。


[ニコニコ動画]


[ピアプロ]

天使も聖者もこの街にはいない powered by ピアプロ

[歌詞]
http://piapro.jp/content/bporyyskpmdkrb2r


nocchi1031氏(パレットP)とのコラボ3作目になります。


作詞の依頼をいただいたのは9月中旬。

ちょうど、にゃっぽんの『HM-Network』コミュニティで
作詞のタスクを複数抱えていたものの、なかなか筆が進まなくて苦しんでいた頃でした。

本来なら、「先入れ先出し」で、
オファーをもらった順に作詞するのが自分のポリシーなのですが、
上述の通りHMNコミュ向けの作詞は全然進まない状況。
そこで、気分転換の意味も込めて、あえてポリシーに背いて
nocchiさんからのオファーを先にこなすことにしました。
(HMNコミュの皆さんごめんなさい…orz)



もらったオケを聴いた時、「Emptiness」にも通じるような疾走感と
激しいギターに、腹の奥から何かがみなぎってくるような感覚になりましたw

で、例によって手持ちのタイトルフレーズから
「どれにしようか」と候補を選んだんですが、タイトルはすんなり決定しました。
(若干「厨二っぽいタイトルかなー」とも思いましたがそこは気にせずw)


というのも、このタイトルで書こうと思うに至った理由があるためです。




ちょうどこの曲の作詞依頼をもらう1ヶ月半ほど前、
高校の部活で後輩だった子のお母様が病気で亡くなりました。
彼女のブログで、その病状が重いものであることは知っていましたが、
どうことばをかけていいのかわからず、
俺にはただ黙って見ていることしかできませんでした。

愛する母を亡くした彼女の精神的ショックは相当なもので、
四十九日が過ぎようかという頃になっても、
ブログやBBS・あるいはTwitterに流れてくる彼女のことばは、
亡き母を恋うるものばかりでした。
そして、それを見ていると、亡くなる以前にも増して、
何のことばもかけてあげることができませんでした。



というのも、俺自身、かつて母を病気で亡くした経験があるからです。


--- 以下、若干鬱な自分語りになります ---


俺の母が他界したのは、俺が高校1年生の時でした。
ちょうど冬休み最後の日、朝起きた俺が見たのは、
コタツで突っ伏して、激痛にうなっている母の姿。
母の求めるままに救急車を呼び、近隣の病院へ。

医者の診断結果は「クモ膜下出血」でした。

しかも、その原因となる動脈瘤の数が非常に多く、
応急措置となるクリッピングももはや追いつかないという状況でした。


 「全部の動脈瘤にクリッピングするのは物理的に不可能。
  次に動脈瘤が破裂したら、その時は覚悟してください」


それが医者の出した最終回答でした。


痛々しい姿でベッドに眠る母の姿を見ながら、
それでも俺は一縷の望みを捨てきれずにいました。


が、その望みは、それから半月後に見る影もなく打ち砕かれました。
伯母から「容体悪化」の電話を受けて病院へ向かった俺が見たのは、
もう「もの言わぬひと」になった母の姿でした。

その時どうしていたのか、今ではよく思い出せません。
ただ、その事実が信じられなくて、泣くことすらできなかったような気がします。


すでに別居状態だった父の代わりに、葬儀では形ばかりの喪主を務めました。
そして、位牌を胸に、会葬者への挨拶に臨んだその時、
時間の経過とともにこみ上げてきていた全ての実感が、
動かしようのない現実となって、降りかかってきたように感じて、
──涙をこらえることができませんでした。


声をふりしぼり、精いっぱいの虚勢を張って挨拶のことばを口にしながら、
その一方で俺は、深い悔恨と、強い呪詛の気持ちを抱えていました。


 「俺が全然いうこときかなかったから、ストレスがたまったのかな。
  俺のせいで、こんな病気になって死んじゃったのかな。
  もっとちゃんと、いうこときいていい子にしてればよかった…」

 「何で母さんが死ななきゃならなかったんだ。
  他に死んだ方がいいような人間はいくらでもいるじゃないか!」

 「もし“神様”がいるんなら、何で母さんを助けてくれなかった?
  救われるべき人間を救ってくれない神なんて、いっそいない方が
  マシじゃないか!」

 「…そうか、“神様”なんていないんだ。
  いるんなら、絶対母さんは助かったはずだ」


救いの神も──天使も聖者も、そんなものはどこにもいない。
あの時から、俺はそういうものを信じなくなりました。
そして今でも、それらの存在を否定し続けています。


 誰のことも救ってくれない そんなカミサマなんて
 いなくても同じでしょ? 私が殺してあげる



特にこの2行は、
あの日から今に続いている俺の胸の内を、そのまま書きなぐったものです。



自分自身がそういう経験をしてしまったからこそ、
彼女の気持ちが痛いほど胸に迫って、
それゆえに何も言うことができませんでした。



本作の詞は、そんな15歳の時の俺自身の「自画像」であるとともに、
後輩に対して捧げることばでもあります。

決して悲しみを癒やすことばにはなりえないことは解っていますが、
直接は何も言ってあげられなかった分、せめても何かを伝えたいと思ったのです。



  「時間薬」がまだ効かないのなら、せめて今はいくらでも泣けばいい。
  でもいつか、「救いの天使」はいないという残酷な事実を受け入れながら、
  もう一度、空ではなく前を向いて歩けるようになってほしい、




──そういう想いを込めたつもりです。


そんなインターナルでパーソナルな歌詞を押し付けてしまって、
nocchiさんに対しては申し訳なく思っている部分もありますが。

それでも、歌詞に対する評価コメントをいただけて、
ある種安堵にも似た嬉しさも感じていますw


詞はともかくとして、曲は相変わらずnocchiさんらしいハイクオリティです。
(「信頼のエロギター」タグは伊達じゃありませんw)

ぜひ聴いていただければ。





posted by mak.kanz@wa at 06:19| Comment(0) | ライナーノーツ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする