2010年09月23日

自作詞ライナーノーツ#5 「つきにおもいを」

日付変わってしまいましたが、今日(2010/09/22)は「中秋の名月」。
ということで、ライナーノーツ第5回目としてこの曲を。


[ニコニコ動画]


[ピアプロ]

【ProjectFS】つきにおもいを(2008年09月向け) powered by ピアプロ

歌詞はこちらです。
http://piapro.jp/content/5fh0otqk7f6xicky


ピアプロのユーザーコラボ
『ボカロで綴る季節の歌プロジェクト (ProjectFS)』に投下した詞です。


このコラボは、その名の通り
「季節ごとのボカロオリジナル曲」を作ろうということで立ち上がったコラボです。
(ピアプロのコラボ機能実装後、2番目に立ち上がったコラボでもありました。
 残念ながら、コラボ主および中心メンバーの多忙もあり、
 2009年3月にコラボは活動終了しましたが)

コラボメンバー間で、毎月テーマを募集し、
選ばれたテーマを元に詞先で楽曲を作成していくというスタイルでした。


この曲は、2008年9月のテーマ(十五夜/月見・秋の七草)として作成された曲です。
テーマ決定後、1番乗りで歌詞を投下したものの、
俺の他に歌詞をうpするメンバーはおらず…(´・ω・`)

結果として無投票状態で9月テーマに採用されましたが、
正直寂しい感じもしました。
(きっとみんな本業が忙しかったんだろうと思いたいところですが)



今回の詞について語る前に、ひとつ前提知識として説明を。

俺は小学1年の夏〜5年の秋までを、仙台で過ごしました。
で、仙台の…というより、宮城県の小学校では、
国語の時間に、生徒に詩を書かせるという授業内容がありました。
(今もそういう授業が実施されているかどうかは知りませんが)

俺も例に漏れず、授業でいくつも詩を書いた覚えがあります。
(もしかしたら、俺の作詞活動の原点は
 あの頃の国語の授業にあったのかもしれません)

で、そうやって生徒が書いた詩の中で、特に優秀な作品を集めた
『詩を書くみやぎの子ども』という副読本がありました。
俺も3年生だか4年生の頃に学校でもらいました。
残念ながら、その後たび重なる引っ越しのうちに処分してしまったらしく、
今はもう手元にはありませんが。
(副読本という特殊なモノだけに、ヤフオクにも出るわけがなく。
 処分するんじゃなかった…orz)


その『詩を書くみやぎの子ども』に収録された詩の中で、
子供ごころにものすごく印象に残った詩がひとつありました。
どこの学校の子だかは憶えてないですが、
母親を早くに病気か何かで亡くした子の書いた詩でした。
ちょっと記憶もおぼろなんで、正確ではありませんが、
その内容の一部、──特に印象に強く残ったところを引用します。


------

 すすきも おがりました(※)
 虫もなきました
 いつ 会いにきますか

 まくらもとに かがみをおくから
 うつって ください
 天国がとおくて ぼく いかれません
 毎日 まっています


 (※)おがる・・・宮城県の方言で「育つ、大きくなる」の意味

------


大人になり、自分が「母親を亡くした立場」になった今、
あの頃よりもなおさら、この詩が切なく悲しく感じられます。

ProjectFSで、2008年9月のテーマが「十五夜」に決まった時、
真っ先に思い浮かんだのは上記の詩でした。
「モチーフはこれしかない」、──そう思って、
サビのフレーズから手をつけ、徐々に書き上げていきました。


もっとも、そのまま子供の視線での風景を描くのはさすがに困難だったので、
詞にするにあたって、主人公と背景は差し替えました。

FS投下版では、主人公は「妻に先立たれた、40歳手前の男」にしました。
十五夜の満月の下、縁側にぽつりと座り、
おそなえしたススキの穂が風にゆらり揺れるのを見つめながら、亡き妻の笑顔を思い浮かべる、
…そんな風景を描きました。

1コーラスBメロの以下フレーズは、
ストーリーの味付けとして、こうだったらより切ないだろうか、
という気持ちで加えたフレーズです。
(実際問題、中秋の名月の日が必ず晴れだなんてことはないわけでw)



 あの時からなぜか 満月の日はいつも晴れで
 こぼれる寂しさを 痛いほどに照らし出すんだ



そして、上述した『詩を書くみやぎの子ども』収録作品の、
「まくらもとに かがみをおくから」というフレーズを、
サビのモチーフに持ってきました。



 照らす月明かり その光の中
 探しているのは 君の姿ばかりで
 見上げる夜空に 浮かんだ鏡は
 僕ひとりだけを ただ静かに映してる


  :
  :

 揺れるススキの穂 その向こう側で
 君はいつまでも あの日の笑顔のまま

 照らす月明かり その向こう側に
 僕は今もまだ 君の姿を探す
 でもその背中は あまりに遠くて
 紡いだことばも 風に消えて届かない




この詞は、今でも俺の中では(手前味噌ですが)お気に入りの詞のひとつです。

脳内に浮かんだイメージを、歌詞の中の世界にどれだけ反映できたかという意味での
「詞の出来ばえに対する満足度」という点では、
「Winner Takes All」と並んで、自分の書いた歌詞の中では最も点数の高い歌詞です。

ProjectFSのテーマが、俺にいい材料を与えてくれたと、今でも思っています。



社季斎さん(今宵P)が書いてくれた曲も、
秋の夜のような、透明で少しひんやりする空気を感じさせる
いいメロディとアレンジだと思っています。
よければ聴いてください。



posted by mak.kanz@wa at 00:23| Comment(0) | ライナーノーツ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年08月16日

自作詞ライナーノーツ#4 「下り電車に乗ろうよ」

夏な曲のライナーノーツは、やはり季節が過ぎないうちに書いておくべきかとw

ということで第4回はこちらの曲です。


[ニコニコ動画]


[ピアプロ]

下り電車に乗ろうよ - 歌詞決定しました - powered by ピアプロ

歌詞はこちら。
http://piapro.jp/content/634x9mnz766b97ac


ピアプロにて、psgmaniaさんが歌詞募集していた曲に応募し、
採用いただいたものになります。


ピアプロの「歌詞募集」タグからこの曲を発見して、最初にオケを聴いた時、
メロディラインに使われているエレピの音色も相まって、
非常にキュート&ポップな印象を持ちました。
その印象のおかげで、タイトルはあまり悩むことなく、
(例によって)手持ちフレーズの中から「これでいこう」と選定完了しました。



俺自身は、毎日下り電車で郊外へ向かって通勤していますが(笑)、
反対側のホームにやってくるギュウギュウ詰めの上り電車を見ていると、

「あぁ、このラッシュから逃げ出してプチ旅行とかしたくなる人もいるんだろうな」

という気分になります。
(高校生の頃なんかは、俺もラッシュの電車に揉まれて通学していたので、
 そういう気分になったこともありました)

じゃ、実際にそういう気分を歌詞にしてみようかな、と思ったのが、
本作のタイトルが浮かんだきっかけになります。



  ある夏の日、いつものように都心へ向かう上り電車を待っている。
  斜め後ろからは、夏の容赦ない陽射しが首筋や頬に照りつける。
  「暑いなぁ…」と振り返った先の空に浮かぶ入道雲を見ていたら、
  何となく「もう今日は仕事なんかサボっちゃってどこかに行こう!」
  って気分になって、下りホームに来た電車に衝動的に飛び乗って──




というストーリーが、タイトル選定直後に、
それこそ入道雲の如くもりもりと浮かんできましたw



--- ここから先は、少々「鉄分濃度」の高い内容が増えますので注意 ---


「上り電車に背を向けて、衝動的に下り電車に乗る」となると、
都心からそこそこ距離のある、島式ホームの駅だよなぁ、と思い、
どの駅がイメージに近いか、ネット上で画像検索しながらちょっと思案。

結論として、イメージに近いと思えたのは、東海道線の辻堂駅でした。
と言っても、実は辻堂の駅をロケハンしたりしたわけではないので
(そもそも、ホーム拡幅前に何度か通過しただけですw)、
駅およびその周囲がどんな風景かは知りません。
完全に俺の妄想でイメージを組み立ててますwww



脳内ムービーの主人公は、20代半ば〜後半の、普段はバリバリ働くOLさん。
湘南新宿ラインで都心の会社へ通勤…というシチュエーションです。
でもこの曲では、上りの湘南新宿ラインではなく、
背中側(=下りホーム)に滑り込んできた東海道線の電車(211系あたりw)に
飛び乗って、行き先も決めずにぶらり旅…というイメージにしました。

で、「何で東海道線なの?」という部分ですが、実は


 長いトンネルを抜けたら きらり 眩しい海が見える


というフレーズがキーになっています。
実はこの部分、根府川駅近辺の風景をイメージして書いたものです。
(根府川の辺りは鉄道写真撮影地として、撮り鉄の間では非常に有名なので、
 参考資料となるような写真は探せばいくらでも目にすることができます)

それゆえ、ストーリーのスタート地点になる駅も、
東海道線の駅である必要性があったわけです。

ただ、電車の行き先についてはあえてボカしました。
ノープランな「突発的プチ逃避行」で、
乗った電車の行き先なんてそもそも気にするはずもないと思うのでw


 そういえばどこ行きだっけ? 気にもしてなかったけど
 とりあえず終点までは 行っちゃおうかな



というフレーズに、そのあたりの衝動性を潜ませてみたつもりです。
(まぁ、根府川まで直通してる時点で、
 電車の行き先は自動的に熱海か伊東か…になるわけですがw)


そして、会社に(仮病の)連絡を入れてズル休みするドキドキ感を、


 携帯電話も カバンの底で お休みにして

  :

 手のひらサイズの冒険 したい時もあるのよ


の2フレーズに込めてみました。

そんな「たった1日の冒険」で気持ちをリセットして、
また明日から「いつものわたし」になって頑張ろう、という気持ちを


 あしたのわたしが もう一度 笑顔になれるように


という最後のフレーズで表現したつもりです。



実際問題、社会人やってると、
こんな風にズル休みして突然の小旅行なんて
そう簡単にできることではないってことを誰もが理解してると思います。
(もちろん学生さんでもそれは同じことでしょうけど)

だからこそ、きっと多くの人が抱えているであろう「逃避行願望」を、
代用的にでもいいので、この歌で充足してもらえれば…
と思いながら、この歌詞を書き上げたつもりでいます。



暑い真夏の風景に、
一服の清涼感を与えてくれる爽やかな曲になっています。
よければぜひ聴いてください。





# なお、この曲に触発されて、ほんとにズル休みしちゃって会社や学校から怒られても、
# 当方は一切責任を持てませんのでご了承くださいwww
posted by mak.kanz@wa at 04:51| Comment(0) | ライナーノーツ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年08月13日

自作詞ライナーノーツ#3 「青空と太陽 −Heart of Contrail−」

ようやくライナーノーツも第3回。
…ほんとはもうちょっと早い段階で更新したかったんですが(´・ω・`)


今回の作品は、1年前にアップされたこちらの曲です。





[歌詞]
http://piapro.jp/content/tdgzjcalvxvzxgvt



にゃっぽんの『HM-Network』コミュニティでもお世話になっている
vanetteさんとのコラボナンバーです。


本楽曲は、『HM-Network』コミュメンバーが中心となっているサークル
『0108−音屋−』で制作されたコンピレーションCD『amplitude』の収録楽曲です。
(CDはすでに完売してますのでご了承ください…)


vanetteさんから、作詞の依頼をいただいたのは、2009年の6月上旬。
90's J-POPテイスト満載の、それでいて非常に爽やかな感じのオケだな、
という印象を初聴の段階で持ちました。
詞の内容(オケに込めたイメージなど)についての要望を訊いたところ、
「青い空」というイメージとのことだったので、
それをもとに詞を考えていくことに。


しばらくオケを聴き込むうちに、頭に浮かんできたのは、
青い空にすうっと糸を引いて伸びていく飛行機雲。
そこから、
「飛行機雲のように、まっすぐに恋する気持ち」
というイメージがぐぐっと湧いてきました。



  とても好きなのに、ふたりっきりになると恥ずかしくて、
  何も言えずに黙ってしまう。
  相手はちょっとドンカンで、私のそんな気持ちには全然気づいてない、
  でもいつか、この想いをストレートに伝えたい、



──そんなストーリーを、フレーズの端々に織り込んでみました。

個人的に「夏は恋の季節!」という勝手なイメージもあったので、
「夏の陽射しに背中を押してもらって、この気持ちを伝えたい」
というようなイメージもあわせて盛り込んでみました。
(1コーラスBメロとか、2コーラスのサビあたり)

特に、1コーラスBメロの


 瞳の中はじける 今年最初の真夏日


というフレーズは、我ながらいい感じにハマったフレーズだと思っていますw
(谷間P氏にもにゃぽの日記でお褒めの言葉をいただきましたw)

もっとも、ヒートアイランド化が進む昨今、
5月には早くも真夏日を記録してしまうような世の中だと、
このフレーズにも「真夏」という印象はなくなってきてはいますが…
(かといって「今年最初の猛暑日」じゃ詞としてダメだと思うしw)



で、歌詞が仕上がった段階で、
「さて、タイトルどうしよう…」と悩むことに。
普段、自分の作詞スタイルは「タイトル先行」であることが殆どなんですが、
この詞については、イメージから本文先行で作っていったので、
完成した時点でもタイトルは未定という状態でした。


当初のイメージである「飛行機雲=Contrail」をタイトルに使うことを考えていましたが、
すでに、ピアプロおよびニコ動に「Contrail」というタイトルの曲があることを確認していたので、
丸カブりはさすがにどうかと思い思案投げ首。

試行錯誤の結果、サビに使っているフレーズを組み合わせ、
今回の「青空と太陽 −Heart of Contrail−」というタイトルになりました。
(その後、「まっすぐとどけ」というタイトルも考えたんですが、
 vanetteさんに選んでいただいた結果、最初に決めたタイトルが選ばれました)



vanetteさんのところのMEIKOの声とも相まって、
かなり夏っぽい爽快な曲にできたのではないかと思っています。

真っ青な空に、文字通り「スパーン!」と弾けるようなこの曲で、
盛り上がっていただきたいな、と思っています。
よければぜひ聴いてください。


posted by mak.kanz@wa at 17:48| Comment(0) | ライナーノーツ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年06月28日

自作詞ライナーノーツ#2 「Blue Rose」

ライナーノーツ再開第2弾です。
前回のライナーノーツ(「Bye-bye My Blue Bird」)で、
ちょっとだけ引き合いに出した関係もあり、
やはりこの曲を第2弾として出しておくべきかと…


[ニコニコ動画]


[ピアプロ]

Blue Rose -コラボ楽曲- powered by ピアプロ

歌詞はこちら。
http://piapro.jp/content/j035sww8a5gmq382


Kouhei@K・S・P氏(おっさんP)の依頼で、曲先で書き下ろした作品です。
(いつの間にか改名してたのね…w)



この曲のオケ(デモ版)をにゃっぽんの日記で初めて耳にした時、
とてもがくぽとは思えないほどの見事な変貌っぷりに驚きました。
「MEIKOを持ってない人はこれで代用できる?」と思ったのを憶えてます。
よもやその曲の作詞依頼がこちらに回ってくるとは予想だにしていなかったため、
オファーをもらった際には別の意味でびっくりしましたがw

で、フルサイズのオケをもらって聴いてみた時に、
「この熱くてカッコいいオケには、このタイトルでいこう!」と
思ったものが2つほどありました。
検討していく中で、詞のフレーズがぱっと浮かんできたのが、
この曲のタイトルになった「Blue Rose」の方でした。


かつてzoomeの日記でも書きましたが、
俺は手元に「タイトル候補」となるフレーズをいくつも持っています。
(このあたりは、こっちのブログでも折を見てまた書きたいと思います)

この「Blue Rose」というタイトルは、
その中でも特に思い入れの強いフレーズのひとつということもあり、
かなり自分の中では気合を入れて書いたつもりです。



このフレーズに思い入れを持つに至った理由は、
自分が中学生の頃に目にしたあるマンガの1シーンにあります。
すでに遠い昔のことでもあり、かつ立ち読みw だったため、
掲載雑誌名・作者・マンガのタイトルとも思い出せなくなっていますが、
そのマンガの中で、
「青いバラの花言葉=『奇跡』」
というような台詞を目にした記憶があったからです。

本来、自然に自生するバラは、青の色素を持っていないため、
青い花は絶対に咲きません。
それゆえ、英語で blue rose ということばは、
「不可能なもの・できない相談」を意味する成句として使われていました。

実際、そのマンガの中では、
白いバラに色水を吸わせて花びらの色を染めるというギミックを使って
青いバラをつくっていました。


でも、そのマンガを見た時に、
「ありえないものを生み出すチカラ=奇跡」
という風に思えて、その台詞に胸を打たれました。
その後、作詞をするようになった頃、その記憶がこっそりとアタマをもたげてきて、
「いつかこのテーマで詞を書いてみたい」と思うようになりました。



…しかし、それから幾年経過しても、
思うばかりでなかなかこのテーマに手をつけられずにいるうちに、
科学の進歩によって、現実はあっさりと俺の思いを追い越してしまいましたw
http://www.suntory.co.jp/company/research/hightech/blue-rose/index.html


上述したように、かつては「不可能」の代名詞にすぎなかった青いバラ。
現実になったことで、さまざまな花言葉があてがわれるようになりました。

サントリーフラワーズが公式に打ち出した花言葉は「夢かなう」ですが、
それ以外の多くのサイトでは、なぜか「神の祝福」なる花言葉が
あてがわれていることが多いようです。

しかし、諸々の理由によって神も仏も信じていない
(というより、むしろその存在を認めていないと言えるかも)自分にとって、
そんな花言葉はとても許容できるものではありません。

やはり青いバラの花言葉は「奇跡」であってほしいと思ってるし、
むしろそれ以外にはありえないと思ってます。



 時として僕の夢は 挫折の海 沈むけれど
 手を伸ばし もがきながら ただ泳ぐよ
 不可能という名前の花を咲かす 想いのチカラを
 強く胸に抱きしめて


  :

 生まれ得ぬはずの生命も 人は現実に変えた
 息をひそめ それでも凛と咲く青



特にこの6行には、その想いを凝縮したつもりです。

願うこと・信じること(そして行動すること)によって、
どんな夢も──不可能と言われたことでも、人はかなえることができるのだと。
その想いのチカラこそが、「奇跡」を起こす原動力であり、
ひいては「奇跡」そのものなのだと。
「凛と咲く青」は、他ならぬ「奇跡」の象徴なのだと。


…イマドキ流行もしない厨二病チックなテーマだけど、
これはどうしても書いておきたかったことなので。

(こういう思考回路で作詞してるから、
 いいトシして「不治の厨二病患者」状態のままなんでしょうけどねw)


でも、もしサントリーが青いバラを開発する前にこの詞を書いてたとしたら、
上記6行はちょっと違う内容になってたかもしれませんw
それはそれで見てみたかったな、と、
我ながら(他人事のように)思ったりもしていますw



モチベーションの湧く曲を書いてくれたKouhei氏と、
声のイメージにばっちり合った
「ゴスパンクがくこ」の絵を描いてくれた水晶紫さん、
そして青いバラの背景画像を提供いただいた翠華さん。
お三方に感謝します。


特に、前回のライナーノーツでも触れた通り、
俺の私的3部作プロジェクト“Tre-Azzurri”は、
この曲がきっかけになって生まれたものです。

それに、この曲を含め、Kouhei氏とコラボしたふたつの曲は、
いずれも俺にとって作詞活動のターニングポイント的作品になってます。
その部分も含めて、特にKouhei氏には大変感謝しています。
 

よければぜひ聴いてください。間奏のカッコいいギターソロは必聴です!




posted by mak.kanz@wa at 04:26| Comment(0) | ライナーノーツ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年06月12日

自作詞ライナーノーツ#1 「Bye-bye My Blue Bird」

本日から、ぼちぼちとライナーノーツ再開します。

6/7のエントリーで「早ければ明日あたり」なんて言っておきながら、
結局何日経っているんだと言われそうですがw



で、zoomeの日記から、ブログに場を移しての
第1弾となるライナーノーツは、この作品です。





歌詞はこちらになります。
http://piapro.jp/content/b264bw79vl44jvs1


2008年8月に、Kou氏(おっさんP)との曲先コラボナンバー
「Blue Rose」を手がけた際にふと思い立ち、
「青」をイメージコンセプトにして、3部作的に作詞してみよう、
と、私的プロジェクト“Tre-Azzurri”を立ち上げました。

本作は、その2本目となる作品です。


「Blue Rose」では、「希望」や「信じるチカラ」を
歌詞に乗せましたが、本作ではそれとは全く対照的に
「絶望」をテーマに書くことにしました。




1コーラス目は、社会(政治)に対する絶望を書いています。

国政・地方自治を問わず、大言壮語と美辞麗句を並べて
当選した候補者が、いざ議員として活動を始めると
選挙の時に掲げた公約はどこへやら…な状態になることは
昔から往々にしてありました。
(少なくとも自分はそう感じています)

そんな形で目の前に提示される「おとなたちの嘘」。
それに対する絶望を歌詞に乗せました。


 水もないのに 咲き乱れてるバラの花

このフレーズは、選挙事務所の壁一面を埋めるパネルに、
当選者が出るたびくっつけられていく赤い花をイメージしています。
「ノイズの向こう」から流れる「ニュース」は、
言うまでもなく開票速報番組です。


 未来を託してほしいとか 潰れた喉で謳わないで
 どうせ朝になったら もう忘れているんでしょ?

 呼吸をするように嘘を 口ずさむひとたち
 私たちを見下ろす目は 誰も映さない


選挙戦最終日、
連日のマイクアピールでガラガラに嗄れた喉で
「この国(orこの街)の未来をわたしに託して(ry」と、
選挙カーの上から有権者を見下ろしながら票を乞う候補者。
その目に、「私たち」の姿は見えているの?
願い叶って当選しても、
祝杯を挙げた翌朝には、どんな理想もキレイに忘れてるんでしょ?

──そんな冷ややかな疑問を、このフレーズには込めました。


ただ、1コーラスのこれらのフレーズは、
決して特定の政治家や政党を批判・揶揄するものではありません。
動画コメントで「民主のことか?」なんてのを見かけましたが、
この作品の歌詞(初稿)が完成したのは、2009年の7月末。
衆院選で民主党が大勝して政権交代がなされるより前の話です。
(あそこまで大勝するとは想像だにしていませんでしたが)

それに、前首相に限らず、過去さまざまな政治家が
有権者の期待を裏切るような言動をしてきたというのが
俺の印象です(上述しましたが)。

1コーラスの歌詞は、
党派を問わず、期待を裏切った政治家全員に対する
ささやかなアイロニーのつもりです。


2コーラス目のテーマは、人間(と宗教)に対する絶望です。
平和を望みながらも、常に争いを止められない、
そんな人類の姿に対する絶望。


 遠くの空を 切り刻みのぼる煙は
 救いの神の名を借りて 生贄をつくる
 信じたものに 裏切られ泣くのはいつも
 何も知らずに生き残る 哀れな旅人


テレビの画面越しに見る、内戦の光景。
(個人的には、ガザ空爆のイメージです)

相容れない「カミサマ」が、
それぞれの民に与えた「約束の地」を奪い合う。
その中で死んでいく無辜の民の姿は、
さながら、あまりにも哀しい生贄。

そして、遠く離れた場所でふらふらと生きながら、
傷つけあう愚かさと消えていく生命への悲しみに泣く、
そんな人々(≒我々)をあえて
「哀れな旅人」と呼んでみました。


 望んでもいない平和とか すました顔で願わないで
 どうせ私が死ねば 大笑いするんでしょ?


そして、心の安寧や平和を願うフリをしながら、
入信を拒めば「地獄に行くぞ」と毒づき、
不幸に遭った者を「信心が足らん」と詰るゴリッパな宗教。

きっとあなたたちは、私が死ねば
「我々の神を信じなかったからだ」って嘲笑するんでしょ?
そんなひとたちが崇めるカミサマのどこを信じろというの?

──2コーラスで歌ったのは、そんな「世界への絶望」です。



そして最後のBメロ〜大サビは、
そんな風にして、何もかもに希望を見出せなくなった
自分自身に対する絶望のモノローグです。


 いいことなんて何もない、
 明日がきょうより良くなるなんてありえない、
 夢なんていくら求めてもかなわない──


 「思い描いた幸福な未来」=青い鳥を
 なす術もなく見送るだけしかできないなら、
 これからの世界にどんな希望を描けばいいの──



最後の大サビに至るパートには、
そんな諦めの感情を散りばめました。




今回、この歌詞をリンに歌ってもらったわけですが、
当初から使用ボカロについてはリン1択でした。

もともと、“Tre-Azzurri”3部作は全部違うボカロに
歌わせたいという願望があったのも事実ですが、
明るさのかけらもない、諦めにまみれたこの歌詞を、
あえてクリプトンボカロの中でもっとも若い
リンに歌ってもらうことで、
「絶望」というテーマが強調されるのではないか、
と考えたからです。


そして、コラボを持ちかける相手として
「リン使いといえば誰だろう…」と思案をめぐらせた時、
真っ先に浮かんだのが虹原ぺぺろん氏(ぺぺろんP)でした。

「アミュレット」・「Doubling our Hearts」など、
ぺぺろんPの手がけるリンはいずれの楽曲でも
非常に力強い声を聴かせてくれるという印象がありました。

そこでコラボを依頼しようと思ったのですが、
すぐには頼めませんでした。

ぺぺろんPと俺との間には、接点が全くなかったからです。
(せいぜい、にゃぽの日記に何度かコメントを書いた程度)

そんな状況でコラボを依頼して、果たして受けてもらえるのか、
不安があり、なかなか踏み出せずにいました。
しかもぺぺろんPと言えば、ボカロPの中でも
歌詞に強いこだわりを持つPのひとりとして知られる存在。
そういう人に対して、俺程度の詞でコラボを申し込んでいいのか
(言い換えれば「太刀打ちできるのか」ということですが)、
という部分での逡巡もありました。

でも、黙ってたところで話が進むわけもなく。
意を決して、歌詞完成から1ヶ月半後に、コラボを申し込みました。
断られたなら、それはそれで致し方ないと思いながら。

届いた返信は「YES」。
心臓がバクバクするような感覚でした。

そこで歌詞を送り、本作のテーマとあわせ
「リンでお願いします」の意向を伝えました。


半年後。
「完成しました」の連絡とともにいただいたmp3を聴いて、
リンのボーカルの圧倒的なパワーと感情表現に
鳥肌が立ったのを覚えています。

その他にびっくりしたのが、
初稿からほとんど歌詞の変更が入らなかったことです。
メロディにあわせて変更が入るのを前提で、
いつでも修正依頼には対応できるよう身構えていたんですが、
結果的にBメロ(3箇所とも)でごくわずかな修正があっただけで、
他の箇所はほぼ初稿のまま。

これだけ文字数多い歌詞だし、
曲仕上げるのも大変だったのではないかと思うと、
ありがたくも申し訳ないような気持ちになりました。



そこからさらに3ヶ月。

…こんなすごいPVまでつくとは、想像だにしていませんでした。

俺が歌詞に持たせたイメージなど遥かに凌駕する
素晴らしいムービーを作ってくれた、田村ヒロさん・御厨わたさん。

そして、何の交流もないような相手からの
ぶしつけなコラボ申し込みを受けてくれたばかりか、
胸に深く刺さるようなメロディをつけてくれたぺぺろんP。


俺の小さな思いつきに端を発した話を
かくも見事な成果物に仕上げてくださったお三方に、
心から感謝します。


俺の思い以上に、
お三方の思いがぎゅっと詰まった動画、
よければ是非見てください。聴いてください。


posted by mak.kanz@wa at 01:51| Comment(2) | ライナーノーツ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする